これからのビジネスは会社という垣根さえ越えて行くのでしょうか?
画期的なビジネスモデルの誕生です。
岩手県北バスとヤマト運輸がタッグを組み、
路線バスで宅急便を輸送する貨客混載バス「ヒトものバス」の運行を開始しました。
「ヒトものバス」は地方路線バスと運送会社の双方にメリットがあります。
高齢化・過疎化が進む地方では、
バス路線の採算を取るのが困難であるため、
生産性向上による路線網の維持が課題になっていました。
また、物流においても、人口密度が低い地域では
荷物あたりの配送コストが上がってしまうため、
集配効率の改善は必須でした。
そこで、「ヒトものバス」の登場です。
法的にも一定の条件下では
バス事業者が少量の貨物を運ぶことは可能であるため、
バスの後部座席に専用の荷台スペースを設け、
本格的な貨客混載バスの導入がなされました。
ヤマト運輸は地域に根差したサービス展開を目指しており、
長尾裕社長は
「今回、貨客混載バスにより生産性の向上と物流網の最適化、
交通ネットワークの維持に取り組みたいと思います」
と語りました。
岩手県北バスとヤマト運輸の双方が
事業を最適化できている「ヒトものバス」
居眠りしているお年寄りの奥にみえる宅配荷物。
窓から見える田舎の景色の中を走る「ヒトものバス」が
地域住民の幸せを増やす様子が目に浮かびますね。
必要から生まれたシェアリングエコノミー
このように、モノやサービスを共有することで
効率化を図る取り組みは世界的な流れであり
「シェアリングエコノミー」とも呼ばれます。
シェアリングエコノミーは
「提供者が所有するモノ、サービスを、
利用者が共有することにより成り立つ市場経済の仕組み」
と定義されています。
都市部で流行しているカーシェアリングは、この代表例です。
車の所有者は、購入した際に大きな投資をしているので、
少しでもその稼働率を上げたいと考えています。
また、
車の利用者は、必要なときに必要なだけ車を利用し、
不要な出費を避けたいと考えています。
そこでカーシェアリングでは、
需要と供給をうまくマッチングし、
双方にコストの最適化をもたらしています。
「ヒトものバス」の例では、
地方の路線バスにおける余った座席スペースが「過剰な供給」となっています。
路線バスが必要に応じて運輸業者に座席スペースを貸し出すことで、
バスの稼働率を上げると共に、運輸業者のコスト最適化に寄与しています。
まさに「お互い様」「おかげさま」の世界が、
シェアリングエコノミーの世界です。
時代に合ったビジネスモデルを
シェアリングエコノミーは
リーマンショック以降の緊縮した経済が流行の遠因と言われています。
さらに、日本の場合、
少子高齢化による人口数・世帯数の減少や、
元から資源がないこともあり、
今ある資産の活用が強く求められる時代になってきました。
「ヒトものバス」は
公共と民間の協業によって資産活用を行ったモデルですが、
他の会社との協働、異業種間の協業によって、
より効果的・効率的に経営資源を活用できるよう考えてみることが、
日本という人口縮小社会で生き残る一つの方法となるでしょう。
あなたの会社もシェアリングエコノミー、考えてみませんか?
まとめ
少子高齢化時代です。
昔に戻って
「お互い様」がビジネスなる予感がします。
参考資料:http://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/20150603_705232.html
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1493