最近、飲料水の話題が巷を賑わせています。
例えば、サントリーの「レモンジーナ」は
予想を上回る売れ行きのため一時出荷停止となっていました。
これは、いわゆる炎上マーケティングでしょうか?
炎上マーケティングとは、
意図的に社会からの不評を集めることで、世間からの注目を集め、
宣伝広告費をかけることなく、売り上げや知名度を上げる手法です。
今回の飲料水のケースでは、「炎上マーケティング」ではなく、
古典的な人間の心理を用いたマーケティング手法といったほうが良いでしょう。
スノッブ効果というマーケティング理論をご存知でしょうか。
スノッブ効果(Snob Effects)とは、入手困難であるほど需要が増加し、
一般化するにつれて需要が減少する効果のことを指します。
いわゆる「限定10個!」に皆が飛びつく現象です。
他の人が持っていないものを所有することで得られる優越感が
購買行動に現れているのです。
出荷制限でスノッブ効果をかける
「レモンジーナ」の場合も、出荷を限定的にすることで、
消費者の欲求を高めることに成功しています。
特に、レモンジーナにはその背景にある物語の存在も重要です。
サントリーは、特殊な作り方をしているため他の生産ラインを使うことができず、
また材料にも限りがあるため供給体制を整えるのが困難と説明してます。
特殊な作り方と聞くと、なおさら試してみたいという好奇心が刺激されることでしょう。
もう一つの飲料水の話題を紹介します。
日本コカ・コーラ社は「い・ろ・は・す」ブランドの新ラインアップとして、トマト味を発売しました。
インターネット上などでは、
「青くさい」「トマト嫌いにはキツイ」
といった否定的な意見が多くみられます。
これも炎上マーケティングでしょうか?
いいえ、違います。
定番商品にこそ変わり種の味を出すというのが、
食料品の有効なブランド戦略です。
赤城乳業のガリガリ君というアイスでは、
コーンポタージュ味、シチュー味が発売されました。
また、ペプシではきゅうり味、あずき味などが期間限定で発売されています。
変わり種を出すメリットは、
・企業の先進性やユニークさをアピールすること、
・その話題性からTwitterやソーシャルメディアでの拡散によって商品を宣伝できること、
・同様の理由でコンビニに陳列してもらいやすいことが挙げられます。
「い・ろ・は・す」の味を否定した人たちは、
この戦略に大きく貢献していることになります。
変わり種で入手困難
最後に「南アルプスの天然水&ヨーグリーナ」を紹介します。
これは上記二つの戦略の組み合わせです。
天然水なのにヨーグルト風味という変わり種の味に加えて、
供給体制が整うまでは出荷停止をするという発表を行いました。
消費者の欲求はさらに高まっていることでしょう。
こんなふうに水物戦争は加熱の一途をたどっています。
あなたも、顧客の欲求がさらに高まる仕掛けとして
定番商品の変わり種発売とスノッブ効果を取り入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
定番商品は変わり種商品を!
品薄にしたら話題性もつけましょう。
参照元:http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1505/01/news086.html