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行動量が足りていても結果が出ないケース
「行動をしてるんだけれど、結果が出ない」という方がいらっしゃいます。
普通は、行動量が足りないというケースがとっても多いです。
しかし、行動を一生懸命してるんだけど結果が出ないという方がいます。
こういう場合は、問題が2つあります。
- 正しい方向で行動していない
- 行動計画の立て方が間違っている
私のクライアントさんで結果が出ない方は、計画の立て方が上手くいっていないということが多いです。
私たちは、どうしても自分の力量とかそういうものを高く見積もるという癖があります。
そして、外注に出す時は自分と同じだけの仕事をやってくれるだろうと思ってしまいます。
ところがそんなふうに上手くいかないというケースがほとんどです。
自分と他人の仕事量は違って見える
たびたび書いていることですが、私たち人間の認識には『認知バイアス』がかかります。
その中でも一番強烈な認知バイアスが『自己愛バイアス(自己奉仕バイアス)』です。
『自己愛バイアス』というのは、
成功したときは自分自身の能力によるものであり、失敗したときは自分ではどうしようもない外的な要因によるものだと思いこむ考え方です。
例えば、「人を動かす人」になるために知っておくべきこと(ジョン・C・マクスウェル著、三笠書房)には、このような詩が書かれています。
人が時間をかけるのは、要領が悪いから
自分が時間をかけるのは、丹念にやっているから人がやらないのは、怠慢だから
自分がやらないのは、忙しいから言われていないことを人がやるのは、でしゃばりだから
言われていないことを自分がやるのは、積極的だから人がルールを守らないのは、恥知らずだから
自分がルールを守らないのは、個性的だから人が上司に受けがいいのは、おべっか使いだから
自分が上司に受けがいいのは、協力的だから人が出世したのは、運がよかったから
自分が出世したのは、頑張ったから
上記の詩を読んで、思い当たる方も多いと思います。
このくらい、自分の仕事への評価は甘くなり、他人の仕事への評価は厳しくなるのが通常です。
世界的企業は認知バイアスをなくす努力をしている
たまに、
他人の仕事への評価が甘く、自分の仕事への評価が厳しい人や、
他人の仕事への評価が厳しく、自分の仕事への評価も厳しい人いらっしゃいますが、
こういった人も『自己愛バイアス』をかけて自他を評価しています。
そのくらい『自己愛バイアス』は強いバイアスです。
この『自己愛バイアス』を含む認知のバイアスをなくす社員教育に社をあげて取り組んでいるのがGoogleです。
Googleは業務においてバイアスをかけないことが重要だという企業理念を持っており、社員がバイアスについて理解できるように講義を開いています。その中でGoogleの人事部を対象に行われた講義のムービーが公開されていて、Googleの無意識バイアスに対する対策を伺い知ることが可能です。
Googleが社員教育で実施している「無意識バイアス」の講義を徹底解説
Googleの成功は、この認知バイアスの除去にあるとさえ言われています。
人種のるつぼのアメリカで多国籍企業として発展していくには、環境や文化、経験などさまざまな要素からなるフィルターで作った無意識のバイアスをなくし、正確な判断を下すことが重要ですものね。
グーグルが注力している「自分自身を疑う」技術・認知バイアスがなくなると業績がアップする
認知バイアスがあると、物事が正確に判断できないので業績に悪影響を及ぼします。
ですから、なるべく認知バイアスをなくしていくことが重要です。
でも、認知バイアスは人間の生存戦略なのでなかなかなくなりません。
しかも自己愛バイアスは生存戦略そのものみたいなバイアスですから、まずなくなりません。
自分で自分の仕事を判断する時も自己愛バイアスがかかる
さて、他人が関わる時だけでなく自分で自分の仕事を管理するのにも自己愛バイアスがかかります。
そのため、仕事にかかる時間を少なく見積もります。
やってもいない作業を簡単にできると判断します。
他人に払う費用は高く感じます。
ですから、自分で自分の仕事の進み具合をちゃんと管理できる方はいいのです。
そうでない方は、予定の時間の1.5倍かかると思って計画を立ててください。
「今日はメルマガを書こう。2時間だな」と思ったら、慣れるまでは3時間取るとか、そういうふうに1.5倍にするわけです。
実際は時間を計測して、その平均を出してから1.5倍します。
仕事と言うのは、他の仕事もいっぱい入ってきてしまいます。
時間というのは、仕事があるなしに関係なく流れます。
ですので、行動しても結果が出ないという人は、まず時間管理をするために、計画を立てましょう。
それをタスク、つまり行動計画に落とすというところまでやってください。
日々の行動計画の立て方
日々の行動計画は優先順位をつけて、その優先順位の高いことからこなしていくというのがコツになります。
ですので、
- やることを細分化して書き出す
- 朝、今日は何をやると決める
- その中で何が一番優先順位が高く重要なのかを決める
- 優先順位が高いものが終わるように時間配分を決めて仕事を始める
というふうにしてください。
余った時間は他のことをするなりすれば良いのですから、優先順位の高い仕事の時間は1.5倍と予測して確実に終わらせるようにしましょう。
だいたい、重要なことの2割が8割の成果を生みます。
パレートの法則、または20対80の法則と呼ばれるこの法則は時間管理においても有効ですので、ぜひ試してみてくださいね。
まとめ
私たちは他人に厳しいだけではなく、自分の仕事さえ甘く見積もります。
ですので、行動しても結果が出ない方は、まず行動計画を立てましょう。
その時に、優先順位をつけることと仕事にかかる時間を最初の予測の1.5倍取るようにしましょう。
きっと結果が出るようになりますのでお試しくださいね。