データの取り扱いは要注意
私たちが疑いもせずに信じていることには
正しくないことがあります。
この正しくないことと言うのは、「有益でない」「有効でない」という意味です。
特にデータの取り扱いは要注意です。
今日は、データを疑うことで観えてくる真実がある話を書きます。
出典元があやふや
あるセミナーで
「宗教に入る7つのきっかけ」
という話を聞きました。
そのセミナーはマーケティングの解説セミナー。
講師の方はターゲットを
「宗教に入っている人」「スピリチュアルに惹かれる人」
としていますが、
出典元が書かれていなかったので調べました。
まずはインターネットからということで、
いくつかのキーワードの組み合わせで、
検索ページを10ページ(100リンク)づつ観ました。
合計1000ページ以上観たのですが、
「う~ん?出てこない」。
1.経済的な問題・・・・・・・・26%
2.肉体的・身体的問題・・・・・25%
3.家庭的な問題・・・・・・・・20%
4.職業的な問題・・・・・・・・15%
5.仲間外れやいじめの経験・・・10%
6.宗教の教祖に共感・・・・・・10%
7.立ち直り・・・・・・・・・・ 7%
とパーセント表示までされていましたが、
これは『意見』として考えないと危険です。
出典元があっても条件設定をみる
また、出典元があっても、
データは調べる方法によって、
回答も変わってきますし、
対象者によっても違いますので、
もし活用する時は、条件設定まで考える必要があります。
平均寿命は平均余命ではない
なぜ考えなければいけないかについて
【平均寿命】を例にとって説明してみましょう。
平均寿命を
『厚生労働省の平成25年簡易生命表』
から観てみると、
男性が80.21歳 、女性が86.61
『平均寿命は男性80.21歳』と聞くと、
なんとなく『80歳ぐらいで死ぬんだな』と考えてしまいますが、
知っていますか?
平均寿命は”0歳児が、あとどのくらい生きるのか”という計算なのを。
『0歳児の平均余命』が男性が80.21歳 、女性が86.61
ですから、
現在の81歳男性の平均余命はあと8.05歳もあります。
90歳になっても、あと4.26歳あります(爆)。
この平均寿命が、
実は0歳児の平均余命だと知らないで、
両親の介護費用を計算したり、
自分の人生計画を立てたりしたら、どうなりますか?
失敗するのは目に見てています。
それなのに、介護事業をしようとしているのに、
平均寿命で予定を建てようとする人がいました。
あまりに危険なので、この話を本日しています。
また、
「2人以上で暮らす家庭の、金融資産(貯蓄)の平均値は1182万円」というデータも
すごく貯蓄額の多い人がいるから1182万円となるだけで、
貯蓄額が0円の家庭だって3割近くあるのが現状です。
データの鵜呑みは分析の大敵
データは鵜呑みにせずに、
ちゃんと出典元を調べましょう。
そのうえで、
何をどんなふうに調べたのか?
条件設定を調べて、
本当は何の証拠として使えるのか?
そこまで考えて使いましょうね。
キャッチコピーとして
「人は話し方で9割決まる」とか、
「統計学が最強の学問である」とか書くのは有益ですが、
それを鵜呑みにすると危険です。
出典元と前提条件、データ抽出方法などの条件設定を調べて、
何の証拠やデータとして使うか、
ちゃんと自分で判断することが重要です。
絵に描いた餅は食べられません。
真実は何かが見分ければ成功の確率は大幅にアップします。
ぜひ、デ―タを注意深く見て、
真実をみつける目を養ってくださいね。
まとめ
単語や数行の文章で
データを語ることなかれ
参照元:
自分の平均余命が知りたい方は、
男性は http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life13/dl/life13-06.pdf
女性は http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life13/dl/life13-07.pdf
平均貯蓄額は、