「プラレールカー」をご存知でしょうか?
プラレールカーは山陽新幹線「こだま」の1号車を改修し、
プラレールの大型ジオラマを展示したり、
プレイゾーンを設置したりしたものです。
4ヶ月間で約1万7000人の子供が乗車
JR西日本とタカラトミー、パナソニックの協力で実現した企画です。
運行開始から4カ月でのべ約1万7000人の子どもが乗車し、
延長の要望が多かったため、期間を延長することになりました。
移動時間は子供にとって、退屈で、ただ待つだけの時間です。
あきた子供に悩まされる親の苦痛を解消して、
子供にも喜ばれる企画ですから、素晴らしいですね。
このように待つ時間をうまく工夫することで、
顧客満足度は非常に高くなることが知られています。
待ち時間を失くして苦情を解消
そこで待ち時間を失くして苦情を解消したのがヒューストン空港です。
空港の荷物受取場所のターンテーブル周辺で、
スーツケースがなかなか出てこないのはイライラします。
アメリカのヒューストン空港も例外ではなく、
「荷物が出てくるのが遅い」という苦情が多く寄せられていました。
そこで担当者は逆転の発想で対応します。
荷物の引き取り場所を飛行機の到着場所から遠く離れた場所にしました。
乗客は空港内の端から端を歩かされることになります。
このシステムを導入してから、
新たな苦情が上がるわけではなく、急に苦情が減少しました。
人は「待たされる」という状況を嫌います。
荷物が出てくるのをじっと待つよりも、
能動的に目標に向かうほうがストレスを感じない
という心理を使って上手くいった例です。
待ち時間をエンターテイメントの時間に
次は待ち時間を集客に活用した例をご紹介します。
1964年にマン ハッタンで創業された鉄板焼きレストラン「ベニハナ・オブ・トーキョー」です。
純粋な日本食とは少し趣が異なりますが、
アメリカ人が知っている日本食レストランの代表となると、
この「ベニハナ」を挙げる人も多いでしょう。
「ベニハナ」は「レストランはエンターテインメントの舞台」と定義し、
8人~15人掛けの火鉢テーブルを囲み、
シェフがステーキを焼くという行為をショーに仕立てました。
このレストランは、席を効率的に埋めるために、
火鉢テーブルが全員埋まるまで、顧客をバーカウンターで待たせます。
バーカウンターは桟敷席・ギャラリーのようなもので、
これから始まるショーへの期待を高ぶらせます。
また、店側としても
利益率の高いアルコール類を提供する時間を設けることで、
顧客単価を上げることができます。
このベニハナ・オブ・トーキョーのマーケティング・経営戦略は
ハーバード・ビジネススクールのケーススタディにも取り上げられています。
待ち時間を失くす・待ち時間を有効に使う
待ち時間を効果的に使うことで、
顧客満足度を飛躍的にあげる方法を3種類紹介しました。
山陽新幹線の「プラレールカー」は子供向けですが、
待つのが嫌いなのは大人も同じですから、
大人向けの企画があってもよいでしょう。
今でさえ大人の乗客の姿も見られます。
乗りたい電車の定番企画になりそうなプラレールカーです。
あなたもプラレールカーを見習って
話題性のある顧客満足度向上企画を考えてみませんか?
まとめ
顧客心理を知って
待ち時間を楽しい時間か、
待たされていない時間に変えてみませんか?
参照元:http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1412/03/news044.html