撤退ラインは先に決めておきましょう
出て行くお金の方が多くて、入ってくるお金と見合わないということは、起業するとよく起こることです。
昔は十年続く会社は10%と言われたのが、今5%と言われています。
私は2001年に独立して2004年に会社を作っていますから、もう十年以上やってきています。
それでも、「うわっ!!大丈夫かな?」と思うようなことは多々ありました。
そういうことを考慮して、
「これだけ行ったら撤退する」という基準は先に作っておくことをクライアントさんにお勧めしています。
つまり「会社辞めます」「この仕事やめます」という基準は、最初に作っておくようにと勧めているのです。
そうでないと、どんなに借金が増えても、どんなに苦しくても、「このまま続けたら上手くいくんじゃないか」と思って止められなくなります。
ギャンブルと同じようなものです。
コンコルド効果(サンクスコストの錯覚)
「止めたほうが良いのに止められない」
これを、心理学で「コンコルド効果」と言います。
昔、コンコルドという飛行機を作るために、お金をものすごくかけた会社がありました。
しかし、これが失敗作だということが作り終わる頃になって判明しました。
でも、失敗したと言いたくないがために、もっともっとお金をつぎ込んで、結局立ち行かなくなってしまったのです。
世界最速を誇った旅客機「コンコルド」はなぜ廃止に追い込まれた??
本末転倒も甚だしいコンコルドの失敗例から、「今まで投資したもの(金銭、時間、努力・苦労、etc)が無駄になるからと、そのまま続けても損失にしかならないのが解っているのにやめたくてもやめられない状態」=「コンコルド効果」と心理学で言います。
「損は取り戻したい」が負けの要因
私たちは、失敗を認めたくない。
特にお金を使ってしまったものはなんとしても損を取り返したいと考えます。
FXで100万円つぎ込んで、元金割れしても値上がりを待ってしまう。
怪しい仮想通貨に投資して損しても「きっと大丈夫」と思っている。
あなたにも、そういう友人知人がいるはずです。
株で成功する秘訣は”損切りができること”と稼いでいる方々は言います。
彼らに聞くと「損したら値上がりが予想されていても一旦手放す」そうです。
そして、多くの人が株で損をするのは、この一旦手放すことができないからだと言います。
そういえば、友人のKさんが昔NTT株が1億円になったと喜んだものの結局大損したことが・・・。
傷は浅いうちに治療しましょう
私たちは自分の傷を深くするときがあります。
ですので、ここまで行ったら撤退するというのはちゃんと決めておいた方がいいです。
間違っても”闇金から金借りてもやる”とか、やめてくださいね。
高額な借り入れをすると後が大変ですのでここまで行ったらもう勤め人に戻るという決断もしておいた方がいいです。
私は外部からの借入金が貯蓄額より高額になったら会社をたたむと決めています。
会社員から独立する時も、副業での収入が20万円/月になったら独立と決めていました。
友人のMさんは、自分の貯金が1000万円切ったら離婚すると決めていたそうです。
このように撤退ラインを決めておくことは何事にも重要なスキルです。
撤退ラインを決めても撤退は難しいのが現状です。
それでも決めておくことで傷が浅いうちに撤退することが可能になります。
あなたの撤退ラインはどこですか?
まとめ
私たちは手に入れたものを手放すのが下手です。
特にお金が絡むと損を取り戻してから手放したいと考えます。
このコンコルド効果に騙されないでくださいね。