ランチパスポートが話題になっています。
ランチのガイド本であり、
掲載店舗で冊子を提示すると、
ランチを500円で利用できるようになります。
700円以上で提供されているランチが500円で食べられるので、
数回使用するだけでガイド本の購入代金以上に節約できることになります。
ランチパスポートで節約した金額をブログでアピールする消費者もいます。
利用期間が3ヵ月間と区切られているので、
ランチパスポートの購入者はランチで外食する意欲が増します。
新宿・渋谷などの東京各地の他に、
広島・静岡などの地方都市もカバーし、全国28カ所で発行されています。
掲載店舗は1冊あたり約80~100店舗あり、
新刊発行の際に、一定数の店舗が入れ替えられます。
プッシュよりプル
広告を掲載し値引きを提供するビジネスモデルは一種のクーポンとみることができます。
クーポンは、ホットペッパーなど多くのサービスがしのぎを削る、競争の激しい業界です。
その中で、ランチパスポートはなぜ注目をあびているのでしょうか?
理由はガイド本という位置づけにあると考えられます。
クーポンは金銭的なメリットを中心とした広告が企業から消費者へ発信されます。
一方、ガイド本は、情報を求める消費者が積極的に受信します。
企業から見て、顧客への歩み寄り方が逆方向になっています。
この戦略の違いはプッシュマーケティング、プルマーケティングと表現されます。
・プッシュマーケティングは、
ダイレクトメールのように売り込みを行う戦略です。
・プルマーケティングは、
ブログなどの魅力的なコンテンツを用意し、
消費者が自然に商品を見つけるよう仕向ける戦略です。
特に、情報が氾濫するインターネット上では、
消費者が目にする広告が非常に多くなっています。
そのため、プッシュマーケティングよりも
プルマーケティングの方が
より購買意欲の高い顧客層へアピールすることができると期待されています。
ガイド本は一種のプルマーケティング
ガイド本という形式をとることで、消費者は自然とランチの情報を手にすることになります。
企業から発信されたクーポンよりも、
自分で入手したガイド本のほうを利用したくなる心理があるのでしょう。
また、無料で獲得したクーポンよりも、
有料で購入したクーポンの方が「元をとりたい」という気持ちになるので、
使用頻度が向上していると考えられます。
有料のクーポンという革命的なビジネスモデルにより
注目をあびているランチパスポートは、
高知県の「ほっとこうち」が2011年に創刊しました。
ランチパスポートが、
ホットペッパーと同じクーポンを配る広告本にならない限り、一定数の需要は見込めますので、
今後の展開に注目です。
まとめ
プッシュか、プルか。
集め方を違えて
販売数をアップしましょう。
参考資料:http://www.hotkochi.co.jp/
http://hiroshima.keizai.biz/headline/1807/
https://blog.kairosmarketing.net/marketing-strategy/pull-push-marketing-tactics/