外食チェーンに野菜ブームが訪れました。
ファーストフード店やファミリーレストランで
一斉に野菜を使ったメニューが投入されています。
狙いは一つ!
「女性客の取り込み」です。
中国の工場で期限切れの鶏肉を使用していたことが発覚し、
売り上げが激減しているマクドナルドは、
女性客の取り込みにより業績の回復を狙っています。
日本マクドナルドは、2015年5月25日に
「ベジタブルチキンバーガー」「ベジタブルチキンマフィン」など
野菜を強調したメニューを発表しました。
事実、サラ・カサノバ社長は
「家族連れや女性のリクエストに応えた」と話しています
しかし、本当に女性がリクエストしているのは、
野菜が少し増えたマクドナルドのハンバーガーなのでしょうか?
どうやってまで考えましょう
母親が気に入っている店には子供や夫を連れてくるでしょうし、
女性の友人同士で連れ立って外食することも多いでしょう。
口コミの効果も大きいです。
女性の心をつかむことで、業績の回復を狙うという戦略は間違いではないでしょう。
しかし、どうやって、女性の心をつかむかという手段を考える際には、女性の購買心理を考慮する必要があります。
女性の購買心理は、私が以前から提唱しているように男性とは異なります。
例えば、商品を購入する場合、男性は機能を重視します。
食品であれば、味や素材が納得できる価格で提供されていれば男性は満足します。
女性は使用感を重視するので、商品を使用している自分自身のイメージが重要です。
おしゃれなカフェでカプチーノを楽しむ自分が好きだから、そのカフェを選びます。
また、女性の意思決定には気持ちを「察する」ことが重要です。
「特定ブランドの財布」が欲しいと言われてから、
それをプレゼントしても感激してくれません。
「財布」が欲しいと何気なく口にした時点で、ブランドの好みを推定し、
「彼女の欲しい財布」までたどり着く必要があります。
女性は、自分の好ましい商品を推定してくれたことに喜びを感じます。
では、マクドナルドに「野菜のメニューがほしい」と要望する女性は、
野菜を使ったハンバーガーが欲しかったのでしょうか?
野菜を含んだ商品という機能から考えるのは男性目線であるといえます。
女性目線で考えると「野菜を食べて健康を保っている自分」という自己イメージの向上まで提供する必要があるでしょう。
吉野家は5月21日、牛肉を使わず、ゆで野菜のみを使った「ベジ丼」を発表しました。
野菜を食べたいから、野菜の丼ぶりを提供するというストーリーには、
女性を惹きつける感激がありません。
女性は「牛丼屋で野菜を食べている私」に喜びを感じるのか?
そこまで考えないと売上増に結びつくことはないでしょう。
女性心理を考えたマーケティングが必要
女性に売って売上アップしたいなら、
もっと女性心理を考えたマーケティング戦略を考える必要があると私は考えます。
なお、今回は、マクドナルドと吉野家の例をあげましたが、
この頃のマーケティング活動を観ていると
ルミネや富士通「Floral Kiss」など女性に向けたマーケティングのミスが目立っている気がします。
マクドナルドのサラ・カサノバ社長が女性なことを考えると、
もしかしてビジネス最前線の女性がビジネスの現場で勝ち進んでいくために、思考形態を男性に似せてきた弊害が出ているのかもしれませんね。
女性であっても女性心理が理解できなかったら、
女性向けのマーケティングで成果をあげることはできません。
会議で発言する時は男性になっても、
女性向け企画を考える時は女性として考える。
マクドナルドのサラ・カサノバ社長に、
それができなかったのだとしたら、
女性の出世の意味がないと思うのは私だけでしょうか?
参照元:
http://www.president.co.jp/pre/backnumber/2006/20060403/1086/
まとめ
女性と男性は判断基準が違います。
そこを見極めてのマーケティングが重要です。