毎日のランチ代は1000円でも少し高いなぁと感じるのに、日帰り温泉に行って食べるランチは1500円なら安いと感じますよね。
運転中にテレビなんか観ていたら危ないのに、2万円でテレビも付けられると聞くとついつい、つけちゃいますよね。
私の姉はダブルインカムの高給取りにもかかわらず「お金がない」が口癖で、大学に行く姉の娘から「おばさん、私が大学に行くの、大丈夫かな?」と質問されたほどの倹約家です。
そんな倹約家の姉も、稲垣吾郎さんが好きで北海道にまで公演を観に遠征していました。
(ちなみに私は剛ポンのほうが好きです)
これはなぜなのでしょうか?
今回は、そんな価格の不思議についてお話しします。
3つのバイアスがかかります
では種明かしをしましょう。
1つ目の
毎日のランチ代は1000円でも高いと感じるのに、日帰り温泉に行って食べるランチは1500円なら安いと感じる
というのは、入浴料金と一括支払いであるということが影響します。
ランチ代なのですが、ランチ代と認識されていないのです。
このランチ代は日帰り温泉費用として認識されているので、1500円でも安く感じているのです。
2つ目の
なぜか2万円でテレビも付けられると聞くとつけてしまう
のは、払う金額に対して安く感じるからです。
だいたい新車を買うと250万円ぐらいします。
250万円支払うと考えると250万円も252万円も変わりがないように感じてしまうので、ついついオプションの購入をしてしまいます。
これは高額商品の場合、よくあるケースです。
3つ目の姉の例の場合は、頭の中のポケットが違うからです。
私たちは、いくらまで使ってOKというポケットを事柄ごとに持っています。
ポケットごとに出所や貯め方使い方を考えて、どう扱うか決めています。
同じ2万円なのに?
2017年にノーベル経済学賞を受賞した米シカゴ大学のリチャード・セイラー教授がした実験がそれを証明しています。
その実験は、
1.
オペラ鑑賞に出かけて入口に近づいた時、2万円のチケットがないことに気が付きました。
チケットを買い直しますか?
2.
オペラ鑑賞に出かけて入口に近づいた時、チケット代のために用意していた2万円がなくなっていました。
チケットを買いますか?
という実験です。
この種の質問をされた時、ほとんどの人が「1の質問」ではチケットを買い直さないと答え、
「2の質問」ではチケットを買うと答えるそうです。
どちらも2万円損をしてしまいます。
どちらもオペラを観るか観ないかの選択です。
しかし、答えは違うのです。
論理的に考えたら同じ損失で同じ選択なのに、違う結果になるのです。
あなたのビジネスで活かすには
この価格に対する反応をビジネスに生かすにはどうしたら良いのでしょうか?
それは、
1.一括支払いで他の用途に紛れ込ませる
2.まとめ価格・セット価格などで合計金額を大きくしてからオプション提示で価格を上乗せする
3.支払い用途を支払いしやすいものに変えて提示する
(例:楽器の販売費用を0円にして稽古の教授費用としてもらう、楽器のメンテナンス費用としてもらうなど、お客様が払いやすい費用としてもらう)
4.松竹梅を設定して相対的に安く感じさせる
5.最初に高額な提示をしてダンピングする
6.他社はもっと高いと提示する
などなど、価格の提示でやれることはたくさんあります。
まとめ
あなたも、
・一括支払いにする。
・払う金額に対して安く感じさせる。
・頭の中のポケットを違える。
を覚えておいてください。
あなたもぜひ価格の提示方法をたくさん考えて、売上金額をアップしてくださいね。