目次
はじめに
好印象を与える4つの評価特性
・信頼できる。
・思いやりがある。
・謙虚である。
・有能である。
この4つうちの「信頼できる人」という印象をつけるためにはどのように行動したらいいのか?
信頼されるには、性格特性として「正直」で「頼りになる」人と他人から評価される必要があります。
正直+頼りになる=信頼される と考えましょう。
正直+頼りになるの基準
正直とはどんな基準であり、頼りになるとはどんな基準なのでしょうか。
まず、正直に関して。
「私は正直です」と多くの人が思っています。
しかし、この正直は他人に適用する正直の基準を自分に適用していなければなりません。
人は自分に甘く他人に厳しい傾向があります。
ですからポイントは「他人に適用する正直の基準を自分に適用する」です。
そして、頼りになるの基準は有能とは違います。
頼りになるの基準は「言ったことをちゃんと実行する」ということです。
つまり、できないことはできない。できることはできる。そう表明することです。
信頼される行動指針
では、具体的にどのように行動したら良いのでしょうか?
信頼される段階として、おおまかに以下の順番となります。
自分が相手を信頼する
最初から全面的な信頼ではなく、自分が相手を信頼してみるというところから入ってください。
理由は、他人を信じられる人は信頼できる人ととらえる傾向があるからです。
何かをすぐ疑ったり斜めに見る人に対して、私たちは「本人が不正直なのではないか」と考えます。
逆に言うと、自分が相手を信頼すると、「ふーん、この人は人を信じるんだから信頼できる人なんじゃないかな」と思ってもらえるということです。
それと同時に、自分が相手を信頼すると、相手側の自己重要感を満たすことができます。
相手は自分のことを「自分は信じてもらうに足る人なのだ」と思えるので、あなたに好印象を持ちやすくなります。
相手を観察して信頼を深める
相手を信じようとする態度を保ちつつ、相手を観察して、だんだんに相手への信頼度合いを深めていきます。
ここで信頼できる範囲を決めていくことになります。
仕事は信頼できるけどプライベートは信頼できないという人もいます。
逆に、プライベートでは信頼できるけど仕事は信頼できない人もいます。
普段の作業は信頼できるけど、上司が絡むと態度が変わる人もいます。
相手を観察して、自分が何をどこまで相手を信頼するのかを決めましょう。
ここで注意したいのは、1つの信頼できない行動で全部が信頼できないと判断しないようにすることです。
人間の脳は、一般化・省略・歪曲して考えて負荷を減らしています。
何があってもいつでも絶対に信頼に足る人などはいません。
急に相手への態度が冷たくなれば、好印象を与える4つの評価特性の思いやりがないと周囲に人に見られてしまいますから注意しましょうね。
小さな信頼から大きな信頼まで積み上げていく
「自分が相手を信頼する」と「相手を観察して信頼を深める」を繰り返しましょう。
そうして、自分が信頼する相手からも信頼してもらうというのを、小さな信頼からだんだんに大きな信頼まで積み上げていってください。
この時、まだ信頼が深まっていないのに大きな頼み事や要求をしてくる相手がいます。
こういう相手は警戒しましょう。
そういう相手には「まだその段階ではない」と断ったほうが賢明です。
断ることができない人間関係は後々負担になるので、ここでも正直に対応しましょう。
相手からの信頼に、信頼される態度で応える
相手から「信頼してくれたから〇〇してもらえますか」という、何か約束するとかそういうことが
相手からの提案で起こる段階になった時に、何もかも対応してあげてはいけません。
できないことはできない。できることはできる。そこには正直さが必要です。
気の弱い人や優しい人は「信頼してくれたのだから全部応えなくちゃ」とか、「信頼してくれたのだから全部応えてあげたい」と考えますが、やれないことややりたくないことをやってしまうほうが信頼を失います。
人によっては、ここまでで人間関係を終わらせる場合や関係性に制限がかかる場合があります。
「頼りになる」の基準は「言ったことをちゃんと実行する」というレベルで大丈夫なのです。
人間関係を終わらせることや関係性に制限をかけることに罪悪感を抱く必要はありません。
無理に続ければ、あなたの正直さが失われます。頼りになるという性格特性もなくなります。
ですので、できないことはできない。できることはできる。
決して、無理をしてはいけません。
相手の期待値まで信頼する
相手の期待値まで信頼するというのは、相手からも信頼されるようなやりとりを続けていることが前提です。
やりとりを続けて相手を信頼するとどんどんとあいての期待値が明確になっていきます。
人はそれぞれ期待値やルールがあります。
遅刻は1回でも信頼しないというルールの人がいれば、3回までは許容する人もいます。
私たちは自分の価値観に従ったルールをそれぞれが持っています。
ここまで行ったら信頼する、これやったら信頼がなくなるという基準は人それぞれです。
なので、相手の期待値がどこかというのは関係性を続けてみないとわかりません。
やりとりの中で、自分の価値観と相手の価値観、自分のルールと相手のルールがまったく同じであるケースは少ないので、
ここでも、できないことはできない。できることはできる。そういう態度が求められます。
相手への信頼を表明する
相手の期待値まで信頼すると同時に相手への信頼を表明することもしましょう。
あなたは信頼に足る人だと思っていると口で伝えたり、あなただったら大丈夫だと思うからとお願いをしたり、
「相手を信頼している」ことを表明しましょう。
この表明するという行動は大事なことです。
相手への信頼やあなたと相手の関係性をお互いにどう認識しているかは言語化しないと伝わらないからです。
言語化しないと「本当は違うのかも?」と不安が募ります。
不安になれば信頼したくても猜疑悪心が起こります。猜疑悪心のまま信頼する行動はとれません。
二人の関係を大切にしたいことをお互いが理解できるように「相手を信頼している」ことを言語化してあげてください。
「相手を信頼している」ことを言語化すると、相手もあなたの信頼を裏切らない行動してくれる可能性がより高まります。
人は他人からの信頼を裏切ることに心理的障壁があります。
人の信頼を裏切ることが平気でできる人は、よく言うサイコパスとか自己愛性人格障害という人たちです。
だからそういう人と付き合うと信頼が裏切られることが多く起きます。
あなたが信頼しているのに相手から裏切られたら悲しいですよね。
「信頼している」ことを言語化しても裏切るような人との関係は、ある程度で止めてそれ以上深入りしないことが必要です。
こういう人は気の弱い人や優しい人を食い物にしますから、あなたは、できないことはできない。できることはできる。
そういう態度を保ちましょう。
まとめ
人間関係は相手次第で難しくなったり簡単になったりします。
・自分が相手を信頼する
・相手を観察して信頼を深める
・小さな信頼から大きな信頼まで積み上げていく
・相手の期待値まで信頼する
・相手への信頼を表明する
この順番で行動すれば、周囲の人からの信頼を勝ち得ていけますので、やってみましょう。
最後こんな言葉で締めくくらせていただこうと思います。
「信頼とは、ゆっくりと育つ植物である」
~イギリスの首相を務めた政治家 ウィリアム・ピット~
信頼というのは、ポンっと出来上がりません。
自分が正直で頼りになる行動をしていても、相手とのやりとりがあってやっと育ちます。
あいつのためだったら命も捨てられるなんていう信頼っていうのは、もう長い年月をかけてじっくりじっくり育ってきたものだということです。
あなたが信頼できる相手を上手く作ることができ、大勢の人からあの人だったら信頼できるという評価をもらえるようになれば大変嬉しく思います。
次回は正直に見られる行動について書いていきますね。お楽しみに!