感動は経営を救います。
顧客の期待を大幅に超えることで感動を生み出せば、
顧客はそのブランドのファンになります。
ファンは消費をするだけでなく、口コミを生み出し、
さらなる消費を生み出します。
日本初の女性樹木医・塚本こなみさんは感動を生み出すことで、
栃木県足利市にある「あしかがフラワーパーク」の経営危機を救いました。
お客様指向の徹底
塚本さんは他の専門家では不可能であった
巨大な藤の移植を成功させるなどの樹木医としての実績に加え、
年間20万人ほどだった来場者を
110万人にまで成長させるなど経営者としての実績もあげてきました。
その間、塚本さんは従業員のお客様指向を徹底させてきました。
「報酬が安くてここまでしかできない、これが自分の手一杯だ」
と考えていた職人たちは
「お客に喜んでもらいたい。やりがいがある」
と考えるようになりました。
職人たちの心の変化が、期待を超える植物の展示を実現し、
業績の向上につながりました。
声にならない声を聴く感性を持つ
塚本さんは樹木医と経営者という二つの顔を持ちますが、
その共通点をあげるとすれば「声にならない声を聴く感性」と言えるかもしれません。
植物は自分から声をあげることはありませんが、
きちんと手入れをすれば、
花のつきが悪くなった樹木がもう一度花を咲かせることがあります。
消費者も欲しいものを自分から声にすることはありません。
例えば、スマートフォンが存在しない時代に、
スマートフォンが欲しいと連絡してくれる消費者はいません。
世間にiPhoneが広まって始めて、
自分が欲しかったものがこういうものだったのかと認識します。
本当に欲しかったものが与えられることで、新たな消費が創造できます。
ですから、
経営者は声を上げない消費者の本当の欲求に対する感性が求められます。
お客さんの想像以上のものを最終的につくる
プラントハンターの西畠清純さんも
植物を通して感動を生み、業績を向上させました。
プラントハンターは世界中で収集した貴重な植物を展示し、
庭園や商業施設を活性化させる仕事です。
西畠さんは
「お客さんの想像以上のものを最終的につくるのがミッション」
と語り、
神戸国際会館の屋上庭園に樹齢500年のオリーブの木を導入しました。
オープン前から施設には行列ができ、
会場では「オリーブの木を見たときは感動した」「散策する庭になった」との声があがりました。
「命あるものの強さ、エネルギー」が人を惹きつけるのだと西畠さんは主張します。
植物の専門家は、声にならない声を聴く感性を持ち
それを発信することでマーケティングの専門家になりました。
お客様の声なき声を、私たちも聞き続け、
真の顧客志向の経営者になりましょう。
まとめ
お客様の声にならない欲求を聞きましょう。
そこに感動が生まれます。