地域活性化は簡単な取り組みではありません。
限られた予算・資源の中で、
住民を盛り上げ、観光客を招き入れるには
知恵を絞らなければ上手くいきません。
実際、地方団体や地方の企業が安易な戦略に走り、
取り組みが頓挫したり、集客が思うように集まらなかったりする例も散見されます。
砂丘に光害はNG
例えば、鳥取市は2015年10月末「鳥取砂丘光のアートフェア2015」において、
高さ7000メートルの光のツリーを中心としたイルミネーション・イベントを計画していましたが、
住民の反対などにより中止に追い込まれました。
集客のために過剰な演出を狙ったために、
環境省の「光害対策ガイドライン」に規定された
自然への配慮を欠く計画になってしまった点に批判が集まっています。
そもそも派手なイルミネーションは、
鳥取砂丘に建設しなくても、都会で十分に楽しむことができます。
私は、地方が市場規模や資源に勝る都会と
同じ土俵で戦おうとした戦略に問題があると思います。
強者と同じ戦略はたてない
ランチェスター戦略が有名ですが、
資源に恵まれない企業は、
市場をリードする企業に真っ向から勝負してはいけないという
マーケティングの定石があります。
この定石は自治体であっても同様です。
地方は人口自体が少ないので、安易な集客ができません。
ですから、強烈に興味を惹きつけるために、
特定の領域に絞って資源を投入する
「ニッチ戦略」をとることが推奨されます。
ニッチ戦略は大手が興味を示さないような狭い領域に集中することで、
ユニークな価値を生み出し、小さいながらも確固とした地位を築くことを目的とします。
マーケティングの大家であるコトラーは、
ニッチ戦略をとるニッチャーの他に、
最大のシェアを有するリーダー、
差別化によりリーダーからシェアを奪うチャレンジャー、
そして他者の模倣により生き残りだけを図るフォロワーを定義しています。
自治体に置き換えれば、リーダーは東京や大阪、
チャレンジャーは神戸や福岡といったところでしょうか。
今回の鳥取市のような観光客を増加させたい地方自治体は、
独自の価値を提供するニッチャーを目指すべきです。
他の都市の模倣するだけのフォロワーのままでは、
競争に勝てません。
東京にないモノが地方の価値
さて、都会にいる人間が地方に行く意義は何でしょうか。
都会にいる人たちは、
都会にいてできる体験を場所を変えてしたいと思うでしょうか?
そんなことは考えません。
海外旅行に行くのは日本とは違う体験をしたいから行くのです。
同じように、都会の人が地方に行くのは、
その地方でしかできない体験がしたいから、地方に向かうのです。
都会と違う体験を得ることで、
気分転換をしたり、感動を覚えたりするのです。
ですから、都会でもできることを地方で提供しても魅力がありません。
地元の業者とのしがらみ等、複雑な事情はあるかもしれません。
しかし、より多くの集客を目指すのであれば、
都会の真似をするのではなく、
その地方にある強みを活用するほうが効果的ではないでしょうか。
砂丘での光のツリー集客は、
なばなの里やさがみ湖イルミリオンなど
多くの自治体がイルミネーションを競っている現在、
勝てる戦略でありません。
日本一広い砂丘だからこそ、
環境省の「光害対策ガイドライン」に触れてしまったのですから、
暗さと広さを活かすと共に、
交通の不便があっても行く理由づくりをする。
そうすれば大阪や京都から集客ができます。
行く理由づけが強ければ、東京から集客することだってできます。
すでに、私の頭の中には、
6個ぐらいの案が浮かんでおります。
もしかしたら一大イベント化できそうな案もありますので、
鳥取県からの熱いラブコールをお待ちしております!!
まとめ
ニッチャーは
ニッチ戦略で勝つ!
ニッチしか生き残る道はありません!